小春日和の穏やかな晴天となった11月11日(金)の午後、横浜・磯子の久良岐能舞台で、久々の東燃謡会を開催した。
この会は東燃本社、川崎、清水の謡曲部OBおよび縁あって共に稽古してきたメンバーで構成し、コロナ前までは春秋年2回、ここ久良岐能舞台で開催しており、前回の令和2年4月以来、2年半振りとなる。
この2年半の間に我々の師である人間国宝・観世流野村幻雪(四郎)先生、主宰者の神崎欣哉氏および毎回参加してくれていた謡仲間の三名がご逝去され、更にコロナ蔓延のために稽古も殆ど休止状態となっていた。
今回の開催は、コロナの第八波の懸念はあるものの、稽古の再開と長年継続してきた会の灯を消さないため、また、ゆかりの三名の追善の意味も込めて感染対策を取りながら実施することになった。感染対策として、会場はもちろん能舞台でもマスクを着用し、居酒屋での懇親会は中止とした。
謡会とは、能の略式演奏の一つで舞、囃子(はやし)を加えず謡だけを演奏するもので、物語のシテ(主役)、ワキ(脇役)、地謡(バックコーラス)を割り当てて行い、一演目あたり30分から40分程度かかるものが多い。
今回の謡会は遠路金沢市からの参加者を含め八名のこじんまりしたものとなったが、広大な自然に囲まれた趣ある能舞台で精一杯謡い、久々に幽玄の世界を楽しむ事が出来て良かったと感謝している。
写真1 竹生島 シテ(松本) ツレ(大場) ワキ(坂井) 地頭(村上)
写真2 経 正 シテ(綾部) ワキ(非OB森本) 地頭(宮田)
写真3 井 筒 シテ(小池) ワキ(村上)
写真4 鉄 輪 シテ(坂井) ワキ(非OB森本) ワキツレ(松本) 地頭(大場)
写真5 全員集合
以上