氏 名
阿久津 敏朗
 所 属
東燃清水OB会
 掲 載 日
平成31年01月16日
表 題

 ヨモギ

本   文 

 富士川河原を散歩していると、冬枯れの草原にたくさんの緑の草が観察できる。かって山梨の友人が当地に来た時、「冬なのに緑が多いことに驚いた」と言っていた。その中にヨモギがある。多年草で、枯れた茎もあり緑の葉も繁茂している。(写真ー1)
 ヨモギには多くの薬効があり、飲食にはヨモギ茶やテンプラが良く知られている。なかでも一番は餅や団子に茹でた若葉を添加した、草餅や草団子がとても良い香りで喜ばれている。
 葉を裏返せば真っ白に見える。(写真ー2)これは細い毛がびっしり生えているからで、この毛がもぐさの原料になる。
 枯れた茎に変な白い塊が付いているのを見かける。(写真ー3)これはヨモギクキワタフシで、ヨモギの茎についている綿のようなフシ(虫こぶ)の意。ヨモギが枯れる前に、ヨモギワタタマバエがヨモギの茎に産卵すると、その部分に葉裏の毛と同じ成分で綿のような玉が出来る。孵化した幼虫はその綿に包まって越冬するのだそうだ。誰がそんな優れた越冬技術を教えたのか。
 幼虫には悪いが勉学のために、この綿のような虫こぶを開いてみた。中からピンクの2mm位の幼虫が出てきた。虫さんごめん。(写真ー4)
 ここにも、虫が植物を利用しながら生きている仕組みがあった。このヨモギワタタマバエが、ヨモギのために何かお返しをしているかどうかは判らない。

写真説明
  写真ー1 :ヨモギの若葉
  写真ー2 :ヨモギの葉裏
  写真ー3 :ヨモギクキワタフシ(虫こぶ)
  写真ー4 :ヨモギワタタマバエの幼虫

以上 

     
 
写真ー1
 
写真ー2
 
         
     
 
写真ー3
 
写真ー4
 
         
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