氏 名
 西ヶ谷 勝也
 所 属
東燃清水OB会
 掲 載 日
平成28年06月16日
表 題

 キジバト子育て観察記

本   文 

 我が家の玄関アプローチ脇の庭木、白樫にキジバトが巣を懸け子育てをしている。5月初旬小枝をくわえたキジバトが盛んに茂みに出入りするようになり、庭木の平らな二股の枝に円盤状の巣を作った。巣は、小枝を重ねただけのかなり大雑把なものだ。
 しばらくすると1羽が巣の中に座り込みジッとしている。この状態は朝から夕方そして翌朝まで続く、どうやら産卵し抱卵に入ったと思われる。

  キジバトの卵は15日位で孵化し15~16日位で巣立つと言われており観察を続ける。
つがいは抱卵をいつ交代するのかその場面は観察できない。調べてみると、朝から夕方までの昼間は雄が、夜間は雌が卵を抱き温めているそうだ。
 かなり長い間抱卵が続いたある日の朝、なんと巣は空っぽ、あれほど微動だにしなかった親鳥がどこかに飛び去ってしまった。子育て放棄かと思いつつ巣を覗くと白い産毛に包まれた2羽の雛がうずくまっている。雛が誕生していたのだ。既にかなり成長している。

  それからキジバトの子育てが始まった。親鳥の餌やりは日に数回、巣に戻ると口移しで給餌するが、餌やりが済むと親鳥はすぐどこかに飛び立ってしまう。夜も帰ることなく雛は次の給餌まで巣にうずくまってジッと待っている。
 雛の成長ははめざましく日に日に大きくなる。ネット検索によると、雛は親の出すビジョンミルクで育つ。これは、親鳥の「そのう」(食道と胃の中間にある食べ物の貯蔵庫)の細胞がはがれ落ちたもので、哺乳類の母乳によく似ていて雄雌ともに出すそうだ。

  さて、雛は産毛からキジバトらしい模様の羽毛に生え変わり、巣の中で立ちあがり、羽ばたきの練習をするようになる。そんなある日、餌やりの親が飛び立った後、1羽の雛がパタパタと羽ばたき庭に降り立った。これが巣立ちだろうか。雛はしばらく庭で飛びまわっていたがそのうち姿が見えなくなった。夕方、家の前の電線に親鳩とクークーと鳴きかわす雛と思しき姿が観察された。

以上 

       
 
孵化7日
 
羽ばたく練習
 
給餌の母娘
 
             
       
 
巣立ち間近
 
餌を待つ雛
 
巣立ち
 
             
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