氏 名
 小川 菊治
 所 属
東燃清水OB会
 掲 載 日
平成28年02月08日
表 題

 鉄舟寺と山岡鉄舟

本   文 

 皆様ごぶさたしています。
 今回は、幕末維新の人物として、坂本龍馬と同じく人気が高い山岡鉄舟ゆかりの清水区村松にある「鉄舟禅寺」を紹介します。
 私と鉄舟寺の出会いは、鉄舟寺を散歩コースとしていたことと、体調を崩していた時に薬師如来様が祭られており、参拝していたことからです。
また、私の参拝した日と、静岡と鉄舟との関わりの研究調査をされている「静岡・ 山岡鉄舟会」による山岡鉄舟像の建立記念事業が重なったことにより、同会の存在を知り鉄舟寺と山岡鉄舟への興味を深めました。

 鉄舟寺は、もともと久能寺といい、今の久能山東照宮の場所にあった寺が、武田信玄の今川氏攻略により現在の村松に移されました。
 その後徳川幕府から御朱印地を賜り栄えていましたが、明治維新の混乱の中で次第に荒廃し、住職もいない廃寺とりました。鉄舟はこれを惜しみ、再興を発願し広く寄 進を募りました。(明治16年、鉄舟48歳)ところが鉄舟は鉄舟寺の完成を見ることなく明治21年、53歳でこの世を去り、その後、鉄舟を尊敬していた魚商 芝野栄七翁が鉄舟の意思をつぎ、困難を乗り越え明治43年に鉄舟寺を完成させました。

 境内には、四季の花木が多く、特に春になれば桜が爛漫と咲き誇り、お花見スポットの穴場です。本堂前には、富士に向かって鉄舟居士の歌碑が建ち、「晴れてよし 曇りてもよし 不二の山 もとの姿は かはらざりけり」 と趣をそえています。

 寺には、国宝の「久能経」や、TVの「お宝鑑定団」でも紹介された源義経ゆかりの横笛「薄墨笛」などがあります。行基作の「薬師如来坐像」や「幕末三舟の書」などは、宝物館に所蔵されています。宝物館は2014年末に閉館されましたが、鉄舟寺に申し込めば観ることができます。 (確認済、鉄舟禅寺 TEL054-334-1203) その他の鉄舟のゆかりのスポットは、「静岡・山岡鉄舟会」が、鉄舟の事績をマップにまとめ「山岡鉄舟と静岡ふるさとの歴史 再発見」と言う小冊子を作り紹介しています。その中には、清水湊で官軍の砲撃で亡くなり漂流し、次郎長により祭られた咸臨丸乗員の「壮士の墓」(鉄舟書)や、由比「藤屋 望嶽亭」など県内48の地があります。
 清水を訪ねて、これらのスポットを巡り、駿河湾の地魚や”カレーもつ”を肴に静岡の地酒を楽しまれてはいかがですか。

 写真1: 鉄舟寺山門と鉄舟書の石碑
 写真2: 富士を望む山岡鉄舟座像
 写真3: 山頂毘沙門堂の山道より望む富士山
 写真4: 富士に向かい境内に建つ鉄舟居士の歌碑
 写真5: 巴川河口左岸に立つ「壮士の墓」 

以上 

       
 
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