氏 名
水野 文雄
 所 属
東燃和歌山OB会
 掲 載 日
平成26年11月08日
表 題

 スプリングエイトを見学

本   文 

 さる10月23日、私の所属する電気技術者協会の技術研修会で、兵庫県播磨科学公園
都市にある理化学研究所(施設者として包括的運営を実施)の、題記施設を見学して来ま
したので紹介させて戴きます。

 見学資料によると、 スプリングエイト( SPring-8)の名前の由来は、Super Photonring-8 G eV(80億電子ボルト)に由来し、世界最高性能の大型放射光施設で、この外には米国のAPSと欧州のESRFのみだそうです。

 “この物質は、何で出来ているの?どのような構造をしているの?”スプリングエイトは、これらの“何・どのような”を原子レベルで見るための施設です。放射光と呼ばれる非常に明るい光を使って、原子レベルの微細な構造や働きを観察する事ができる、言わばスーパー顕微鏡です。

 放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のことです。この放射光を用いてナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われており、超電導材料や高分子材料の開発、病気の原因究明、新薬開発、高性能三元触媒の実用化等多岐にわたっています。因みに,和歌山毒カレー事件の(亜ヒ酸)の分析にも使用された記憶があります。

 放射光施設蓄積リング棟の周長は一周約1.5km(直径約450m)で、この中に電子を曲げる変更電磁石が88ヶ所有り、電子の通り道は88角形になるわけで、蓄積リングの中を回る加速された電子から、特定の波長やエネルギーの放射光が取り出されます。

 この外スプリングエイトに隣接して2012年から供用開始した、「X線自由電子レーザー」
の「SACLA(さくら)」と呼ばれる、スプリングエイトの十億倍も明るいX線レーザー施設が有りますが、改修工事中とかで見学できなかったのが残念でした。


(写真説明)見学資料及び写真の当HP掲載について、理化学研究所の許可を得ています。
 写真1: 理化学研究所 播磨研究所の航空写真
 写真2: キャンパスマップ(構内案内看板)
 写真3: スプリングー8 蓄積リング棟内実験ホールの一部(棟内移動に自転車を使用)
 写真4: 電子を曲げる変更電磁石(計88個設置されている)
 写真5: 標準二結合分光器と説明板
 写真6: X線自由電子レーザー「SACLA」施設(全長約700m)

以上 

       
 
写真1
 
写真2
 
写真3
 
             
       
 
写真4
 
写真5
 
写真6
 
             
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