氏 名
金子 嵩
 所 属
KSS OB会
 掲 載 日
平成24年10月23日
表 題

 77才の起点(喜寿のお祝いをうけて)

本   文 


 動植物の世界では、人間の乱獲行為によって絶滅危惧種の増加が心配されている。
その人間の世界では反対に尊敬され大切にされてきた長老が増え過ぎて、今では厄介者扱いにされだしている。私自身、地域社会で少年野球や横浜市体育指導委員として体育系に関わったのも70才代前半まで。

 60才の頃に娘に誘われて五七五の言葉を考える仲間に入れて貰ったのが俳句に関わった端緒。そして16年。

 難点は会費や交通費に少々お金がかかることだ。今は小中学校への俳句指導者として9年が経つ。日常生活に五七五が欠かせなくなっている。子供達と俳句を作る時間は本当に面白くて楽しい。音楽、踊り、スポーツが材料になることを教える。

 そんな中で誇り思うことは平成23年度から使用されている小学校の国語の教科書に私の俳句一句が採用されたことだ。

 「僕だけがはみ出している盆踊り」(光村図書出版小学校、国語4ノ上 かがやき)

 時間を一緒に過ごす子供達から若さが貰える。若さのホルモンは老若男女が交じり合って初めて作用するものと思っている。

 後期高齢期に入って実感することは、ハワイで遊んだKSSの仲間、毎月銀座に集う高校時代の仲間、東燃和歌山時代の「砂浜冷飯会」の仲間が一人二人と欠けだしたことだ。

 私も交通事故で今年3月から5月の間入院生活をした。そんな時心情を俳句にまとめてそれぞれの仲間に知らせた。

 この10月には6ケ月間休んだ東京地区小中学校の先生方との俳句勉強会に出かけられるようになったことが嬉しい。

 そろそろ余生完結を考える年代に入った。77才を起点として自分の生活のなかに自己主張を俳句に託して表現しながら、次世代との交流を更に深めたいと思っている。

 「九月尽(くがつじん)  僕の知らないぼくがいる」  嵩

以上 

       
 
金子嵩氏
 
小学校での指導風景 その①
 
小学校での指導風景 その②
 
             
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