氏 名
加藤 浩二
 所 属
東燃本社OB会
 掲 載 日
平成23年12月23日
表 題

 俳句便り-3

本   文 


 先月、俳句の会に入会しました。会の名称は「茅俳句会」と言い、会員数22名で殆どが茅ヶ崎在住者です。最高齢は99歳の女性で、背筋も真直ぐで秀句を作り、達筆でおまけにかなりの美人な方です。私が最年少で小僧っ子扱いされております。 

 年の順番で逝くとすれば、いずれは私が最長老となるのでその時は会を牛耳って会員には「宗匠」又は「首領様」と呼ばせるつもりでおります。

 今回掲載分は秋から大晦日にかけての句です。

  1.懸崖の紅菊の先火照りけり

  2.幾百のいのち煌めくいくらかな

  3.荒海や星こぼれ落つ天の川 (本歌取り)

  4.()狸は車内で化けて出社かな

  5.漱石忌妻といさかひ酒苦し

  6.盛り塩し女将(おかみ)凛とし冬至かな

  7.大山や女坂下りてぼたん鍋

  8.杜牧して霜葉詠まずや塔の峰

  9.鯛焼きや立ち食ひしません昭和の()

  10.奥の間に父母の遺影や冬陽射し (冬至)

  11.湯豆腐で小言も迫力うすれけり

  12. 寒気団南下をオロシャ布告せず (国際法違反の対日戦参加)

  13. 悪食の鮟鱇横向く拙句かな

  14. (ふくろう)が本なぞ思想の滓と鳴き

  15. 鮟鱇や父の無念がつのる酒  (若死にの父を想いて)

  16. 海鼠(なまこ)酢で一献ごとの孤独かな

  17. ビル風がうなじに師走張り付けり

  18. 「進化論」われも海鼠の末裔か

  19. 厳寒に硫黄華咲かすマグマかな (箱根に遊ぶ)

  20. 早川や冬の漁港に太り猫    (〃 )

  21. 冬陽ざし埠頭で釣果乏しけり  (〃 )

  22. 理由(わけ)もなく足早となる師走かな

  23. 悔ゆること悟ることなき晦日かな

             以上