氏 名
木澤 正己
 所 属
東燃化学OB会
 掲 載 日
平成23年10月22日
表 題

 ドイツの旅

本   文 


 折角この広い地球に生まれたのだから世界を旅したいと思い、始めたのが47歳。ヨーロッパを中心に17ヶ国目(20回目)に選んだのは「ドイツ」。8月15日から9日間、ドイツ各地を巡って来ました。全行程はフランクフルト~ハイデンベルグ~ローテンベルグ~フュッセン~ヴィース~ホーエンシュバンガウ~ニュルンベルグ~ドレスデン~ベルリン~ポッダムです。旅を通じて考えさせられたのは、同じ敗戦国である日本とドイツの戦後の歩みの違いです。日本は焦土と化した国の復興を急速な経済発展で推し進め世界に冠たる経済大国なりましたが、少し急ぎ過ぎたようです。飢えを凌ぎ国を復興させることに夢中なったのは良かったのですが、途中から国の誇りや品格、伝統を再構築する取り組みがおろそかになったようです。ドイツはフランクフルトやベルリンなどの都市は近代化されたビルが並びややもすれば無機質ですが、地方の町並みは自然が豊かで、赤い瓦屋根に統一された伝統的な建築が維持されどの街中も景観を損なう電柱はなく、ゴミも落ちていません。

 ドイツはあのナチが犯したおぞましい過去を清算するために、国の誇りとしての『正義』を掲げ歩んできました。その歩みは国の政策のさまざまなところに現れています。例えば、駅には改札口がありません。電車に乗るときは、行き先までの必要な切符を買い、そのままホームに行って乗り、目的駅に着いたら降りて駅から出る・・・といった具合に、チケットはチェックされません。アウトバーンはよく知られているスピード無制限と無料化の他に、日曜日のトレーラー・トラックの通行が禁止され、日曜は国民が家族と共に過ごす車のためだけに使うことにされています。他にも、教育、税金、年金制度などに日本と大きな違いがありますが、総じて先に述べた『正義』という理念に立ち、社会の原点である家族の絆を確立することからスタートし、国民一人ひとりの自立と自己責任の確立により国を構築しているという印象を強く持ちました。また、町から少し離れた平原地帯には、いたる所にクリーンエネルギー確保のための風力発電やメガソーラー発電設備が林立していました。

 お伝えしたいことはこれくらいにして、各地の美しい風景(写真)をどうぞ。

                                     /以上

ハイデルブルク旧市街
ローデンブルグ市街
ノイシュバンシュタイン城

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