氏 名
山口 進
 所 属
KSSOB会
 掲 載 日
平成23年01月24日
表 題

  第二常圧蒸留装置の竣工記念の写真

本   文 


 日網石油(現在の川工100号地)は昭和35年創業開始以来、高度成長期に合わせる様に次々とプラントが建設されていったが、時代の趨勢とともに次々と姿を消していったのも事実です。       

 昭和40年代に建設されたプラントで現在残っているのはHDKN-1、2とHF-2位である。
消えていったプラントのなかで特筆しておきたいのが第二常圧蒸留装置である。

 創業者である石沢社長の言を借りれば[悲願!10万バーレルリファイナリー]のステップとなるもので昭和42年10月24日の竣工式は盛大な祝賀会が催された。事実、数年後にはPS-1が増強され文字通り10万バレル体制が確立された。
 PS-2竣工時スタートアップグループとの記念写真では石沢社長の満足気な顔とスタートアップグループメンバーの緊張した顔が印象的です。

 しかし時代の変化は厳しく、処理量は伸びず、ついに昭和63年にはPS-2も第六水添脱硫装置の建設のため解体となった。実質稼働率は長くなかったプラントであるが、この装置は雪の日に全停電となり、合わせて冷却水フェイラーというダブルフェイラーを経験したり、火災事故など私達若かったオペレーターにとって教育的体験をさせてくれたプラントでもあった。
 もう1枚の写真はPS-2解体の記念にメインタワーの塔頂部内張りとして使われていたチタン合金板を「PS-2撤去記念」の名前入りのキーホルダーに加工され関係者に配られたものである。この記念品を見ながら、今では幻となってしまった数々のプラントと、そこで共に汗を流した仲間達のことを思い出している次第です。

 昨今、NHKテレビで「工場萌え」という番組で川崎工場が登場し、一部のマニアの間では、石油工場・化学工場が大変魅力的な姿に見えるらしい。
 現役時代にプラント運転に携わってきた私達にとって、夜のプラントは眩しい輝きを持った姿を見せているが、その裏ではオペレーターによる一滴の漏れも許さない厳しい安全運転の努力があることを知って欲しいものである。

                                                以上

PS-2竣工記念日のイニシアルスタート アップグループ(筆者は右端)
PS-2撤去記念キーホルダー

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