氏 名
中村 義
 所 属
東燃関東地区OB会
 掲 載 日
平成20年6月01日
表 題

「無形民俗文化財「安行原の蛇造り」

本   文 


 埼玉県川口市の予祝行事(農産物などの豊穣を祈って、予め模擬する行事)のひとつ、「安行原の蛇造り」は、毎年5月24日に行われる。

 今年は午後から雨の予報、少し早めの鐘の音を合図に30軒ほどの各家から地蔵前に集合。前年の蛇を降ろした後、各部を作りあげていく。上下のあご、ひげ、鼻、耳、まつげ、胴体、オスの象徴などを数人がグループとなって作業が進む。

 別段、設計図もなくリーダーもいないが、手際よい作業は心地よい。若者に「この地域の人たちだけで、伝統行事を続けていくのは大変でしょう。」「実は私は今年から初めて参加しています。何とか伝えていきたい大切な行事です。」

 そういう彼は、まだ作業に入れないで、交通整理をしていた。

 天下泰平、五穀豊穣、無病息災を祈りながら完成した10メートルの藁の蛇を傍の大きな欅の木に巻きつけられる。

 この「安行原の蛇造り」は川口市の無形民俗文化財に指定されているが、その起源は定かでなく、戦国時代から続いているとも、江戸時代の中頃以降に始まったとも伝えられている。

 こうした民俗行事が今後、末長く受けつがれ地域の誇りある財産として大切に保存されて欲しいものである。                                                 
                                                以上                   
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