氏 名
猪浦 汪生
 所 属
KSSOB会
 掲 載 日
平成20年5月08日
表 題

スペイン・ポルトガルの旅行記

本   文 


 バルセロナの灯が宝石をちりばめたように夜の眼下に広がる。自宅を出て約22時間、ロンドン経由でようやくヨーロッパ大陸の最西端、スペイン・ポルトガルに着いた。

 ‘92年バルセロナ オリンピックで有森裕子が活躍したモンジュイックの丘から旅は始まった。スペインではビルの1,2階が店舗、会社事務所で上階が住宅になっているのが一般的で一戸建ては殆ど見当たらない。

 バルセロナはプラタナスの街路樹が美しい街で、ユーロ圏に加入後は急激な物価高騰を招き共稼ぎ家庭が多く、現在もいたる所で建設工事が盛んでクレーンが林立し街は活気に満ちていた。また、スペインは多民族国家と言われ、それぞれの民族意識が非常に強く、日常会話でも大きな声でまくしたてて自己主張をする口調は、日本人の我々が一瞬喧嘩と錯覚するほどである。あの観客の魂を揺するフラメンコの迫力ある民族舞踊も、現代の熱狂的で過激なサッカー応援も、また車の運転でやたらとクラクションを鳴らすのも民族の歴史に起因しているのかもしれない。やはりここは”情熱の国スペイン〟なのである。

 また、地中海に接する温暖な気候はオリーブの生産が世界一である外、ブドウ、オレンジ等柑橘類の生産やポルトガルではコルクの生産が世界一で、見渡す限り続くこれらの丘と20cm程度に育っている〝ひまわり畑”の景色は想像以上の圧巻で目をみはる。

 一方、どこの街にも公園、広場が多くあり、仕事から帰った親子連れで夜九時頃まで賑わっている。また、休日は家族でバカンスを楽しむのが一般的だそうで、何処かの団塊世代で家庭を顧みず仕事をする男性にはちょっと辛い話かもしれない。

 旅はバルセロナ→バレンシア→クエンカ→マドリード→トレド→コルドバ→ラマンチャ→グラナダ→ミハス→セビリヤ→ポルトガルのリスボンまで約2,500km 10日間の行程で古代ローマ時代からイスラム勢力の支配を経て中世ヨーロッパの大航海時代をリードし、現代に至るスペイン・ポルトガルの歴史ロマンと数々の貴重な芸術に触れる旅となった。また旅の移動中に11景をスケッチするのも楽しい思い出となった。

                                                   以上 

ラマンチャの風車
ヨーロッパ大陸最西端の
ロカ岬に立つ
サクラダファミリアを
見上げる
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